2026/04/24
まず、「白版」とは読み方を「しろはん」といい、その字の通り白い版(印刷)を行うことやそのものについての名称です。
アクリルやフィルムなどの透明な素材に印刷を行う場合、
下地として一度白い印刷を行ってからカラー印刷を行うことでくっきり鮮やかな発色を実現しています。
データ作成をする際、白版レイヤーとデザインレイヤーの2種類が必要な理由は、
板に対し二度の印刷を行うという工程があるためなんです。
データ作成が複雑なアクリルグッズ…。
しかし、白版が別なことで出てくるメリットもたくさんあります!
透明素材ならではの楽しみ方や表現方法が幅広いので、
このブログで魅力についてもたっぷり紹介していきますね!
アクリルキングではデータを白版・デザイン・カットラインの順にアクリル板に加工していきます。
まずは白版データについて。原稿の作り方でも紹介している通り、
データ上では黒一色で作成します。
この黒色部分を機械に読み込ませると、実際の印刷では白色として出力されます。

(※画像はillustratorソフトを使用した際の見本画面)
次にデザインデータです。
データ上では鮮やかな色味ですが、機械ではCMYKの4色を使用して印刷をします。
そしてカットラインデータの通りにレーザーカットで形を抜き出していきます。
色味を乗せる工程のCMYK印刷では、白色を作ることができません。
そこで、下地となる白版がデザイン内の白い部分も兼用して表現をしていきます。

▲白版あり/なしの比較▲
特に白っぽい部分はほぼ透明な見た目になります!
透けたデザインを作りたい方は、このポイントはしっかりと押さえておきましょうね!
細かい作成方法は、アクリルキングのYoutubeチャンネルにて詳しく解説してるので
ここでは大まかな手順について解説していきます。
【illustratorの場合】
①デザインの形沿ったパスデータを作成
②K100%で塗りつぶし
③白版のはみ出しを防ぐため、「パスのオフセット」機能から
-0.08mmを選択しデザインより0.08mm内側に白版ができるよう調整する。
▶動画で見てみる:【Illustrator版】白版の作成方法 ー アクリルキング ー
【Photoshopの場合】
①デザインを選択する
②選択範囲機能から「選択範囲を縮小」1px縮小させる
③テンプレート内の白版レイヤー、もしくは別レイヤーにK100%で塗りつぶす
▶動画で見てみる:【Photoshop版】白版の作成方法 ー アクリルキング ー
illustratorの場合では③、Photoshopの場合では②で白版をデザインより若干内側に作成しました。
これは、印刷する際の版ズレを極力無くすための一工夫です。
白版を印刷した上からCMYK印刷を行う時に、白版をデザインと全く同じ形で作成すると
わずかな印刷ズレでもデザインから白版が見えてしまい、デザインの印象を損ねる場合があります。
オフセットや縮小などはこれを防ぐために行います。
逆にオフセットや縮小で消えてしまうような細い線は
しっかりと白版を作成すると細部までくっきりと見え、キレイに仕上がってきます!

細い髪の毛や細かい装飾がデザイン内にある場合は、ここに気を付けるだけで
クオリティが格段に上がりますよ!
イラストソフトで作成する場合も、おおまかな手順は上記の専門ソフトと同じです。
【手順】
①デザインと同形状の選択範囲をとる
②各ソフトの機能で選択範囲を1px程度縮める
③黒一色で塗りつぶす
illustrator・Photoshop・イラストソフトこれらで白版ができたら最終チェックをしましょう!
選択範囲を取る→黒で塗りつぶし
一見するととても簡単な作業に見えますが、意外と穴が多い工程でもあるんです。
よくある例が、
・塗り忘れ(塗り残しがあり、意図しない透明な穴ができる)
・消し忘れ(せっかくのデザインに白版不自然な印刷が乗ってしまう)
・白版不足(白版を縮小した時に細かい部分に白版が乗らずキレイに印刷に出ない)
・白版のはみ出し(主に隙間に白版を作ってしまった)
これらを防ぐために最後のチェックとして
背景に派手な色を置き、白版を実際の白色に変換してチェックすることをおすすめします。

▲テンプレート枠の下に緑背景を敷いて視認性アップ!▲
透明なアクリル板に印刷をする。ということを生かした工夫アイデアをご紹介していきます。
デザイン全体に白版を乗せるよりも表現の幅がぐっと広がり、
デザインを引き立たせるだけでなくよりアクリルの透明感を楽しむことができます。
こちらで紹介するアイデアについては一部、「おまかせ入稿コース」では使用できません。
必ずご自身で作成したデータを入稿する必要がありますので、予めご了承ください。


例えば、こちらのキングくんのアクリルスタンドは元のデータはこんな感じ。

雨ガッパの部分、そして台座のクラゲには白版を敷かずに少し濃いめの彩色のみにしています。
クラゲの頭部分は白い印刷を残したいのでしっかりと白版が作成されていますね!
雨の季節らしい、透けたデザインがかわいいアクリルスタンドに仕上がっています。

次に背景が半透明になっているこちらのアクリルキーホルダーの元データはこんな感じ。

白版がある・ないだけではなく、背景の空色のみをグラデーションにすることで
透かしたときに光が入って更に奥行きが出るデザインになりました。
一部の白版を無くす・グラデーションは白版を作りなれた人でもかなり上級者向けですが、
キレイに出来上がるととっても作りごたえのある作品に仕上がります!
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
全てに白版を作る。とここまで紹介してきましたが、
白版を作らないことで仕上がりが綺麗になる例もあります。
その代表的なものがデザインに入れる文字部分。
黒などの濃い色で3pt~5pt程度の小さな文字を入れる場合、
白版を作ってしまうとどうしても白版を縮小することもできず文字の周りに白い部分がはみ出して見えてしまいます。
こんな時は白版を無くすと黒色のみが印刷されてすっきりとした見た目になります。

また、ロゴや文字だけのシンプルなデザインを作る予定がある方はこんな作り方もおすすめです!
オーロラに対して白版だけのデザインを作成すると
白版が板に反射した素敵な見た目に仕上がり、より見た目のインパクトを与えることができます。

新発売の「プリントフィルムアクリル」ではホログラム加工もスタート
印刷面とホログラム加工にて「背面」を選択すると
デザインの裏側にキラキラ輝く加工を施すことができます。

しかし、ただデザインの裏を輝かすだけではもったいない!
カットラインを大きく縁取ったり、ホログラムが大きく見えるような部分を作ると
よりデザイン周りが華やかになり楽しいアクリルグッズを作成できるようになります。
アクリルキングでは、お客様からいただいたご入稿データを専門スタッフが責任を持ってチェックしています。
人の目のため、100%ではありませんが「間違ったまま印刷されてしまった…」
という悲しい事故が起こらないようサポートいたします。
特に白版やカットラインは仕上がりに影響する大切な部分のため、
不備や確認などがあった場合は速やかに連絡をしています。
また、白版を当社で作成する有料オプションもご用意しています。
作成に時間をかけたくないという方や、不安な方はぜひ利用してください。
その他、作成したデータで不安な点や疑問などがあれば入稿時にお伝えいただければ丁寧に対応いたします。
是非一度ご利用ください!
印刷業界独自の難しい専門用語「白版(白押さえ)」について
アクリルキング基準で丁寧に解説してきました。
最初は難しく感じるかもしれませんが、要するに「デザインを乗せるための下地」です。
工夫すれば無限の可能性がある、アクリルグッズの要です。
難しい工程もありますが、このブログを参考にして是非素敵なアクリルグッズを作成してくださいね。
「どうしてもデータが作れない…」という時のための
作成サポートオプションもご用意していますので、
困った時はいつでもアクリルキングにお任せください。
素敵なアクリルグッズができるように全力でサポートさせていただきます。